明けない夜があった/あとがき


このページはpixivにアップしたカラチョロ小説「明けない夜があった」のあとがきページです。
本編のネタバレを大いに含みますので、本文読了後にお読みいただくことを強くお勧めします。


【全体について】

 今回の話は、pixivのキャプションにも書いたとおりアニメの19話を視聴したときに受けた様々な衝撃が発端になっています。
 pixivやtwitterを見てのとおり、私自身は1クール目の頃から水陸松にどっぷりでしたが、当時は本当にただの夫婦漫才的な、円満ほのぼのな雰囲気しか想像していませんでした。4話の宣言通りに三男養ってやるエンドでいいよ、ああでも次男も頑張って共働きエンドがいいな。とか、そんなレベルでしか考えていませんでした。ですが、18話と19話の連続パンチでがっつりシリアススイッチが入ってしまって。「認められたい!」の翌週にライジングなんかやられたら!シリアス考えない方が無理ー!

 しかもフリーハグやら自意識の対照さやら、会話はないのに間接的に水陸妄想をかき立てられる要素がてんこ盛りで、個人的にはチョロ松ライジング〜ビッグバンのショックもありつつ、創作意欲やら水陸妄想的な意味では、内心ですさまじく盛り上がった回でした。

 で、アニメでビッグバンの後、どんな風に収集をつけたのかが語られていなかったことと、19話の中で水陸が同じ場所に居合わせた事実がなかったのをいいことに、話の前後でカラ松を絡めて補完しよう、と思い立ってできたのが今回の話です。あの回に関しては、絡みがなかったことが自分の中では逆においしかったです。チョロ松の自意識を目の当たりにしたカラ松が何をどう思うかの想像がめちゃくちゃ広がったし、そこから前向きなイメージも抱くことができてありがたかった。できるだけ19話の話そのものは壊さず、その前後や合間を肉付けしていくのも楽しかったです。


【カラ松】

 松創作を書き始めの頃は「好きなのに書きづらいったらありゃしねえ!」という次男でしたが、今はやや書きやすくなった感があります。2クール目でたくさん話して、兄弟とも絡んで、素の顔をちょいちょい見るようになったからだろうと思います。23話の灯油の「昨日も一昨日も俺が行ったあ!」の素っぷりが好きすぎてたまらない。

 カラ松を書くときは、いつも「かっこよくしすぎない」「そこそこに察しはいいけどスパダリにはなりきれない」というのを自分に命じています。この次男、気を抜くとただのイケメンになりかけるから困ります。これまで傍目にはそつのない、イケメンキャラを書き続けてきたので、手癖でそうなってしまうのもあるかもしれません。今回も、うっかりかっこよく書いてしまう自分に喝を入れまくりました(笑)

 カラ松の思考回路については、アニメの中で割とマトモでありつつ、なおかつ突拍子もない行動にも出られるサイコパス要素があるので、思いきった行動をとらせるのが楽しいです。うちの次男のサイコパスさは、弟の自意識につらっと飛び込もうとするようなところだなと思います。


【チョロ松】

 掘り下げれば掘り下げるほど好きになり、親しみと書き甲斐を感じます。チョロ松のことは、好きになると同時にものすごい親近感も感じてしまうんですよね。六つ子の中では一番リアルで、一番自分に近い存在だとも思います。有言不実行。あるある。

 カラチョロのチョロ松に関しては、いつも受け受けしくなりすぎないように、という思いでいるんですが、ライジングが絡むとどうしてもちょっと弱々しくなってしまいますね。実のところ、きちんとした(?)BLを書くのはこのふたりが初ですが、攻め受け、挿れる挿れられるの関係はあれど、やっぱり男と男、しかもこのふたりに関しては六つ子の次男と三男という特性があるので、できるだけ対等というか、そういう関係を保ちつつのふたりであって欲しい願いが強いです。本編でも弟→兄感のまったくない感じが最初にアンテナにかかったところですし。こういうところが、リバ思考なのかもしれません。

 今回の一件はカラ松だけのせいでそうなったわけではなく、むしろチョロ松が先に自分の異常性と自己評価の低さから心を閉ざして、その上から真面目人間の殻を被ってしまった、というところなので、それについても自分で打破できるように書きたいなという思いがありました。自意識に閉じこもった囚われのお姫様みたいなのにはしたくねえなあ…と、思いながら書いたんですが、最後の方はやっぱりちょっと受け受けしくなっちゃったかなあ。どっちかというと、受けというより弟感に持って行きたかったんですが。難しい。


【兄弟たち】

 今回は兄弟たちも話に絡ませたくて、あちこちのアシストをしてもらいました。
 カラ松とチョロ松の関係については、知っているか否かには敢えて触れさせず、「兄弟」として手を貸す、という感じです。

 カラ松を自意識まで飛ばす十四松は17話の筋肉松が好きで好きで、この話を書こうと思ったかなり初期の頃に浮かんだネタでした。17話のあれがなかったら、「自意識に乗り込む」という発想すら浮かばなかったかもしれません。

 一松は21話で麻雀牌で聖澤庄之助作ってたり、22話で麻雀牌ピラミッド作ってたりと、細々としたものを作るような遊びをしてたのをヒントに自意識の修理係になってもらいました。ジグソーパズルとか、すごく好きそうな気がする…。

 トッティについても、いつも兄たちにドライでありつつ、内心ではすごく心配していて欲しいなあと思います。ライジング事件はトッティも絡んでいるので、そこからくる罪悪感なんかも多少は感じてるんじゃないかな…とも思いますし。

 兄さんは、好みを選ぶネタと思いつつ、かなりメタな提示をしてもらいました。メタなネタは、おそ松さんの世界観なら違和感もさほどないだろうと、思いきってやってみちゃいました。今回はカラ松を諦めさせないためのひとつの歯車程度の扱いにしましたが、このネタに関しては、これそのものを題材にしたお話をいつか書きたいと思っています。
 おそ松兄さんを主人公にしたCPなしの話で、いつか。もしアップされていたらご覧いただけると嬉しいです。


【自意識】

 それぞれの自意識の描写を書くのが、すごく楽しかったです。会話とかベッドシーンはいくらでも書く機会がありますが、形ある自意識を書く機会なんて、そうそうありませんしね!

 カラ松の自意識に関しては、放送時に見て感じたときのイメージと、今回の切り口は少々異なっています。アニメの初見のときには透明=純粋で騙され易いみたいなイメージでした。「人を中に宿さない、自分しか見ていない」というのは、今回用の解釈です。

 私、「カラ松は人に優しい自分が好き」という公式のインタビューコメントが自分の中でものすごく引っかかってまして(悪い意味ではないです)多分、そこがカラ松というキャラクターの一番人間らしい、生々しい特徴だと思うんですよね。他の部分は割とアニメキャラらしい突き抜けた感じですが、ここだけものすごいリアルで。それを、自分なりに昇華したい思いでした。
「人に向けているように見える優しさは自分のため」って、人間の中には割と誰しもにある感情じゃないかなあと思うんですよね。でも、スタートは自己愛からくるものでも、優しくしている内にそれが本当の優しさになることだってあるんじゃないかなあとも思うんです。その優しさを、チョロ松に向けられたら素敵だな、という。今回の話は、カラ松に人を想う気持ちと本当の優しさを、チョロ松に自分を認め、自分を見てくれている人を信じることを認識させたい話だったのかな…と書きながら想ったりしました。書き始めた頃はそんなこと全然考えちゃいないんですけどね。
 おそ松さんは色々突飛な世界観ではありつつも、リアルなところはものすごくリアルだなあ思います。そして、そこで押し引きする要素がいっぱいある水陸が好き。

 にしても、勝手に自意識の中身を作って中に入れるようにしちゃったり、ちょっと自意識に夢を見まくっている感は否めません。自意識が今回の話で一番原作かからかけ離れてる要素かもしれませんね。チート自意識。
 でも、くん時代のチョロとさん時代のカラの取り合わせは書いてて楽しかったです。次男と子供は相性が良い。


【そのほか】

・ビジネスマンのふりをして出かける水陸のスーツは24話のあれから引っ張ってきました。
・ビジネスホテルを選ぶくだりは、カラチョロおせっせを自宅以外でさせようと考えたときに、ふたりがラブホに行く流れを自分で想像することができなかったからです。カラ松はつらっと行けそうですが、チョロは絶対に抵抗感を抱くだろうなと。それで、うまくカモフラージュする策を考えてたらな、という発想が生まれ、↑のように24話で似たようなスーツを着てくれちゃったものだから、パパパパッと脳内が働きました。
・えろは雰囲気で感じて。察して。今回のえろは最初と最後で気持ちの通じ方の違いの対比を書きたかったので、その辺をそこはかとなく感じて頂ければ…。えろ難しい。でも対面座位はすごく好きです。←
・イメソンはB'zの「Mayday!」という曲です。歌詞が結構ドンピシャで、しばらくエンドレスで流していました。曲調自体はアップテンポでマフィア松な六つ子にかっこよく踊って貰いたい。
・脇でちょこっとだけ六つ子以外のキャラを出したんですが、チビ太とトト子ちゃんとダヨーンを入れられなかったのはちょっと心残り…。
・モブおばさんは六つ子を知らない「外の人間の目」を作りたくて登場させました。実は、別の趣味の繋がりで大変良くしてくださっている方がモデルになっています。本当に素敵な人なのだ…。おかあさんのようで。
・病衣は萌えると思いました。

 ……と、こんなことを考えながら書いた話ですが、自分の中で溜めていたものを思い切りぶつけられたのでとても楽しかったです。約1か月でこの文字数を書いたのは初めてかも…。
 色々な派生松さんが出てきても、このライジングの熱が放出しきれず手を伸ばせなかった感があるので、これからはそっちの方も気持ちよく妄想できそうです。今は学生喧嘩松とじぇる松とフルボッコ松あたりに狙いを定めています。
 そんなこんなで自分が書くのが楽しくてしかたなかった話ですが、少しでもお楽しみいただけようでしたら幸いです。

 ここまでお読みくださって、本当にありがとうございました!